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運命の出会い

小さい頃からずっとずっとピアノに憧れてきて、
他のどんな楽器の音を聴こうがあんなに惹かれる音ってのはなくて。
でも、家が貧乏だったし団地だったし、
当時は電子ピアノなんてものも無かったから、習うことなんて絶対無理だと思っていたし、
生まれ変わったら絶対にピアノを習うんだと心に決めて、
二年前まで生きてきました。

しかし、有難いことにひょんなきっかけから、二年前に電子ピアノを購入して、
ピアノレッスンに通わさせて貰うことになって、
改めて思い知ったことは、自分の才能の無さ(爆)
だから、このまま電子ピアノで十分と思っていたし、それだけだって十分贅沢だと思っていたし。

でも、やっぱり人間って次第に欲が出てくるものですね。
電子ピアノの電気の音と、スクールで毎週一回弾く弦楽器であるグランドピアノの音では、
やはり違う。当たり前なんだけれど。
拙いながらも、これからの一生の楽しみ励みとしてピアノを習っていくと決めた今、
それがどうしようもなく心に引っかかっていたのでした。


実は店のローンは不景気で先が読めないこともあり、
利息分だけでも払わなくていいように、春に預金をはたいて全て繰越返済しておりました。
普通のサラリーマンだった実家の建売住宅の2軒分のローン。
私たちにしてみれば相当の金額でした。
店も13年目。朝から夜中まで毎日働いたとはいえ、よく返せたもんだ。

貯金はなくなったけれど(爆)、借金は0になって気が軽くなっていたというのもあります。
旦那や家族にピアノに関する素直な心の気持ちを言ってみたら、
本物のピアノを買っていいということになりました。もちろん、中古ですが。
なんてラッキーでしょう。
なもので、皆の気持ちが変わらないうちに(爆)、
今日中にすべき野暮用の後、ピアノを見に行ってきました。



中古も新品も置いてある地元のお店。
これからずっと調律などでお世話になると思います。

色々見ました。説明を聞いたり色々。


お店の片隅に「ディアパソン 132」という、
少し高級な日本メーカーの木目調のアップライトのピアノがありました。
なんと!鍵盤は象牙。前の持ち主が、オプションで象牙鍵盤にしたようです。
今時は絶対無い代物。象牙輸入禁止されてるし・・・
もちろん中古なので、
多少傷や鍵盤の色合いも象牙だからこそ黄ばんでいたりするけれど、
音はすぐ後ろにあったベヒシュタインというドイツの一流メーカーのものと引けを取らない美しい音色。
色々他のヤマハとかカワイとか弾いて試してみましたが、
この音が一番素晴らしい。
ただ、値段が・・・
「498,000円」

サイレントユニットをつけなければならないので、
プラス15万円くらいになります。
予算が・・・
65万だったら下手な新品買えるし・・・
でも、本当に音に惚れていました。
お店の人も「30年この商売やってますが、こんなのが出てきたのは2回目です」
とのこと。
品格も音も、本当に惹かれてました。
だけど・・・当初の予算はサイレントユニット込みで35万くらい。
無理だよな~と思っていたら、何を思ったかお店の人が、
「分かりました。これは本当に良い品なので、下手な子供とかに弾かれるくらいなら、
 あなたのような大人の方に弾かれる事を望んでいるでしょう。サイレントユニット付きで、
 送料込みで50万円でいいです」
というではないですか!

50万円だって、相当な予算オーバー。
でもね、実は手持ちに持っていたのです。店の売り上げパクって(爆)
明日郵便局に行って、なけなしのお金を下ろして補充しておきます。

お店の人には「この価格で売ったことは絶対内緒にしておいてください。
先日、お客様の近所の方が他の商品を購入なさったときには、これはこのままの価格だったのですから」
と、言われました。
なんでこんなに負けてくれたのか分かりません。
私が相当何かを顔に出していたのかしら・・・(ーー;)

でも、本当に嬉しいハプニングです。
もう私はこれからの一生、自分のために何も買いません。
服も今あるジャージとジーンズで十分。
質素にピアノを弾いて暮らしたいと思います。

・・・でも、本当の値段は家族の誰にも言えません。
言えなくて苦しいので、
ここで「王様の耳はロバの耳」なのです。

旦那、ごめんよ~~~!!
もう私だけのものは死ぬまで買わないから、許しておくれ~~~


この記事はあくまでも自分の良心の告白のためなので、
コメント欄は閉じさせていただきますが、
読んでくださる方がいるから、
私も気が軽くなるわけで・・
本当に、有難うございます。
明日からも精一杯、心を込めて働きます。m( __ __ )m
by sirorin-rin | 2009-06-14 19:57